北海道畜産草地学会ワークショップを以下のとおり開催します。多くの皆様のご参加を期待します。
テーマ「濃厚飼料を給与する高泌乳生産は本当に効率的な土地利用か?」
日 時 2018年12月6日 木曜日 9:10から11:50
場 所 かでる2.7 道民活動センタービル8階 820研修室 参加費 無料
※本ワークショップへの参加申し込みは不要です。参加される方は、直接、会場へお越しください。
ワークショップ趣旨
北海道酪農における飼料構成はTDNベースで粗飼料56%、濃厚飼料44%、飼料費が経営コストに占める割合は4-5割で(2016年度農水省調べ)、飼料費低減の必要性が指摘されて久しい。 道内では粗飼料はほぼ自給できているものの、濃厚飼料のほとんどは輸入に頼っており、輸入価格の高止まりが続く中、濃厚飼料の国産化への関心が高まっている。物質循環から見ても濃厚飼料の国産化は望ましい動きである。濃厚飼料への依存度が高い酪農場では窒素やリンなどの養分が圃場に蓄積し、利用しきれない養分は環境負荷の原因になる。環境保全的な酪農経営には、養分循環の適正化が必須であり、濃厚飼料の国産化はそのための有効な手段の一つとなり得る。本ワークショップでは、濃厚飼料を自給する際の土地利用のあり方について議論したい。かつて、土地面積あたりの牛乳生産量で生産性を評価する議論があったが、当時の土地面積は酪農家が所有する草地飼料畑が対象で、濃厚飼料を生産する外国の土地面積は考慮されていなかった。今回は、濃厚飼料を生産する土地面積もふまえた飼料生産にかかる全圃場面積を対象として、面積あたりの牛乳生産性を検討する。濃厚飼料の原料となる子実用トウモロコシやダイズは、子実のみを収穫するので、地上部全体を収穫利用する粗飼料よりも乾物収量が少ない。一方、ダイズ生産では搾油による牛乳以外の収入も発生するなど、土地面積あたりの農業生産性は多角的に検討する必要がある。本ワークショップが、物質循環に基づく持続的な酪農生産において、合理的な飼料作物栽培のための土地利用にかかる戦略検討の一助になれば幸いである。
プログラム
開場 9:00、 開会 9:10
話題提供 9:15~11:00
1.北海道における濃厚飼料作物の潜在的生産性 義平大樹 氏(酪農学園大学) 9:15- 9:50
2.濃厚飼料生産を含む土地面積あたりの牛乳生産 中辻浩喜 氏(酪農学園大学) 9:50-10:25
3.経済性をふまえた濃厚飼料生産の位置づけ 日向貴久 氏(酪農学園大学) 10:25-11:00
総合討論 11:10~11:50
【問い合わせ先】(ワークショップ主催者)
酪農学園大学 草地・飼料生産学研究室 三枝俊哉
電話 :011-388-4818
E-mail:saigusa@rakuno.ac.jp